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遊郭に関わりのある人々 弐

今回は 遊女に深く関わっていた
女性たちに焦点を当ててご紹介します。

今回は 遊女に深く関わっていた
女性たちに焦点を当ててご紹介します。

遊女を支え、導いた女性たち

今回は 遊女に深く関わっていた女性たち に焦点を当ててご紹介します。
遊郭は花魁だけで成り立つ世界ではありません。
遊女の成長や日常を支え、時には厳しく導く女性たちの存在があってこそ、花街の秩序と美は保たれていました。

■遣手(やりて)とは
遣手とは、元遊女が30歳を過ぎ、身請けされないまま年季を終えた後に就くことの多かった役割です。
主な仕事は多岐にわたり、遊郭の内部を実質的に管理する存在でした。

・女衒(ぜげん)から買い取った遊女の格付け
・客の酒宴内容や遊興の采配
・禿(かむろ)への基礎教育
・見世指名の客を、どの遊女につけるかの判断
・脱走や心中未遂を起こした遊女への処分

その影響力は非常に大きく、遊女たちからは恐れられる存在でもありました。
そのため、「遣手のばばあ」と揶揄されることも多く、「遣手婆(やりてばばあ)」という言葉の語源 になったともいわれています。

番頭新造と同じく年季明けに遊郭へ残る立場ではありますが、遣手は 見世全体の遊女を管理・指導する立場 にあり、その権限と責任は番頭新造よりも重いものでした。

■番頭新造(ばんとうしんぞう)とは
番頭新造も、30歳前後で年季を終えた元遊女が就く役割です。
別名「番頭女郎」とも呼ばれていました。

彼女たちは、太夫や花魁に付き添い、
・身の回りの世話
・外部との交渉
・茶屋へ出向いての初回客の品定め
などを行い、花魁の引き立て役であり、相談役 として重要な役割を果たしていました。

遊女としての経験が豊富であるからこそ、花魁を支える実務的かつ精神的な存在だったのです。

新造の種類について

新造には大きく分けて三つの種類がありますが、ここでは特に 振袖新造 と 留袖新造 についてご紹介します。

■振袖新造(ふりそでしんぞう)
振袖新造とは、禿(かむろ)を経て次の段階へ進んだ、14歳から16歳ほどの少女 を指します。
いわば遊女見習いの立場であり、まだ客を取ることは許されていません。
ただし、姐さんである花魁が多忙な場合には、名代として席に着くこともありました。
とはいえ、床入りをすることはなく、あくまで修行の一環とされていました。

■留袖新造(とめそでしんぞう)
留袖新造とは、18歳を迎えても独り立ちできず、姐さんの世話になりながら客を取っていた新造を指します。

江戸時代では、10代のうちに元服し、18歳はすでに成人と考えられていました。
そのため、未熟ながらも成人女性であることを示す意味で、袖の短い着物――すなわち 留袖 を着ていたのではないか、とも考えられています。


■花魁の世界を、より深く知るために
遊女の華やかな姿の裏には、彼女たちを育て、支え、時に厳しく導いた女性たちの存在がありました。

こうした人々の役割を知ることで、花魁という存在は、より立体的に、より現実味をもって感じられるはずです。

ぜひ、花魁体験の前に、この世界を支えた女性たちにも思いを馳せてみてください。